休診変更のお知らせ

施設概要

栄養科

栄養科(Department of Nutrition)

当院の栄養科は、栄養管理と給食管理の2つの業務を担っています。 栄養管理は病院管理栄養士、給食管理は委託給食会社が、それぞれの専門性を活かして分担しています。

栄養管理業務は、病棟に担当の管理栄養士を配置する“病棟担当制”としています。チーム医療への積極的な参加、院内外での勉強会・研修会への参加や開催、研究活動などを行い、患者さん一人ひとりに合わせた、質の高いオーダーメイドの栄養療法を365日実践することを目指しています。また、栄養食事指導は、入院・外来を問わず、医師の指示に基づき実施しています。(月約300件、年約3,000件)





給食管理業務は、専門の給食会社にすべて業務委託しています。病院管理栄養士も毎日の検食、献立やそのほか書類の確認など、密に連携を図っています。そのため、病院管理栄養士は栄養管理業務に専念することができます。加えて、月に1度、栄養科内で献立会議を開催し、病院食に関する打ち合わせを病院管理栄養士と委託給食会社職員と共に行っています。また、月に1度、栄養管理委員会を開催し、医師・看護師・理学療法士/作業療法士・言語聴覚士、事務職員などの多職種で、運営について協議しています。

栄養管理業務

当院は病棟が9つに分かれており、病棟ごとに担当の管理栄養士を配置しています。 ミールラウンド、栄養食事指導、病棟カンファレンスへの参加、病棟スタッフに向けた勉強会の開催など業務は多岐に渡ります。患者さん、多職種と連携しながら、日々の栄養療法に従事しています。

チーム医療

栄養サポートチーム(Nutrition Support Team)

適切な栄養療法の実践のために、栄養サポートチーム(Nutrition Support Team: NST)が活動しています。低栄養の患者さん、特別な栄養療法が必要な患者さん、必要量の栄養投与が難しい患者さんなどに対しての医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士/作業療法士/言語聴覚士・管理栄養士をはじめとした多職種で構成されたNSTが主治医やほかのチーム医療と連携して介入しています。その中で管理栄養士は、専任管理栄養士として全体のマネージメントを行っています。

また、NST専門療法士認定教育施設として職員の研修を院内で実施し、院内外問わず教育も行っています。日本臨床栄養代謝学会の認定医である小児外科の毛利部長、集中治療部の吉田医師よりそれぞれの専門である外科・内科系の質の高い栄養療法の研修を受け、栄養療法のレベルの向上に努めています。 (当院は、日本臨床栄養代謝学会よりNST稼働施設の認定を受けています。)

NST専門療法士認定教育施設臨床実地修練実績

年度
研修参加人数
参加職種
2022年 11名 看護師・薬剤師・理学療法士・管理栄養士
2023年 7名 看護師・薬剤師・管理栄養士



ICUサポートチーム

専任管理栄養士を配置し、重症患者の栄養療法を多職種と連携を図りながら行っています。当院ICUはオープンICUのため、栄養療法を行う上で多職種間の連携はとても重要です。

ICU多職種カンファレンス

月から金曜日の朝9:00から30分間、医師・看護師・薬剤師・理学療法士/作業療法士・入退院支援看護師・臨床工学技士・管理栄養士で入室中の全患者さんを対象として行います。多職種間で患者の病態や問題点、当日の治療内容などの情報を共有します。



ICU栄養カンファレンス

月・水・金曜日の週3回、ICU回診終了後に医師・看護師・薬剤師・管理栄養士で入室中の全患者さんを対象として行います。管理栄養士が患者の栄養状態や栄養療法について情報をアウトプットし、短期・中期・長期の栄養療法について多職種で検討します。



Post-ICUカンファレンス

毎週金曜日の午後、心臓血管外科医師・看護師・薬剤師・管理栄養士で心臓血管外科患者さんを対象に栄養療法について検討しています。ICU退出後は、リハビリの強度に応じて個々の目標設定が重要です。しかし、食欲不振などの理由から不十分な場合もあり、それらの患者さんを中心に多職種で介入しています。



そのほかチーム医療

当院では多職種連携が推進されており、様々なチームが活動しています。そして、治療効果を最大限発揮するためには最善の栄養療法の実践が必要であり、管理栄養士も各チームにおいて一躍を担っています。


管理栄養士は以下チームで活動しています。

  • 緩和ケア支援チーム
  • 呼吸サポートチーム
  • 摂食嚥下チーム
  • 褥瘡対策チーム
  • 感染対策チーム
  • 臨床倫理コンサルテーションチーム
  • 骨粗鬆症リエゾンチーム
  • 微量元素チーム
  • ERAS(術後早期回復プログラム)チームなど

心臓リハビリテーション

ハピネスハートプログラム

外来を受診される心不全の患者さんに対して、医師の診療に加え、心肺機能検査、運動療法、生活全般や食事、内服薬の教育、心理カウンセリングなどを包括的に介入するプログラムです。多職種が連携し、患者さんと、その家族をサポートしています。


教室

春と夏の年に2回、医師・看護師・理学療法士・薬剤師・メディカルソーシャルワーカーとともに、心不全の患者さんを対象とした教室を開催しています。管理栄養士は、食事療法を中心に、サルコペニアや認知症などその時々に応じた幅広い内容について体験を交えた講義を行います。また、教室の中では、心不全患者さんにおすすめのオリジナルレシピを紹介し、参加者のみなさんに試食をしてもらっています。


ハイキング

教室同様に、開催しています。葉山や逗子など、三浦半島の各景勝地を望む約5~6キロメートルのコースを3時間ほどかけて歩き、楽しみながら、心肺機能維持を目指してもらう活動です。


横須賀地区栄養士連絡協議会

横須賀地区栄養士連絡協議会では、会員相互の連携と資質の向上を図り、地域社会の保健福祉に貢献することを目的として活動を行っています。

横須賀地区栄養士連絡協議会について

当院のお食事

月に1度、行事食を提供しています。そのほかに季節に合わせた果物など、入院患者さんにおいしく食べていただけるよう工夫しています。




治療のために調整が必要な患者さんの食事

心臓病や腎臓病などの疾患や病態に応じて、医師から指示を受けた内容の食事を提供しています。


摂食・嚥下機能の低下のある患者さんの食事

日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2021の分類に準拠して、嚥下食1~4までの食事を提供しています。


嚥下訓練食1(ゼリー/学会分類コード0j)


嚥下訓練食2(ミキサー/学会分類コード2-2)


嚥下訓練食3(ムース/学会分類コード3)


嚥下訓練食4(全粥とろみ/学会分類コード4)


お祝い膳

ご出産後7日間に渡り、通常の食事とは異なるお祝膳を提供しています。和食、洋食、中華など、提供する日ごとに内容の異なるメニューとなっています。






食事の提供方法

食事は、温冷配膳車を使用して、温かいものは温かい状態、冷たいものは冷たい状態で提供しています。また身体に不自由がある患者さん、未就学のお子様用の食器のご用意もあります。朝食は7:30、昼食は12:00、夕食は18:00に提供します。大量調理衛生管理マニュアルおよびHACCPに準拠した衛生管理を行い、安心・安全の食事提供となるよう努めています。

研究・業績

各学会に所属し、研究や発表を行っています。

学会発表・研究会など


◆宮城 朋果
情報通信機器を用いた栄養食事指導の実際と今後の展望
第24回・第25回日本病態栄養学会年次学術集会、2022/1/29、京都市+オンライン

◆吉田稔、宮城朋果、内藤みなみ、山田大地、東山智子、内倉淑男 、斎藤浩輝、岩澤孝昌、吉田徹、藤谷茂樹
Open ICUにおける早期栄養開始の取り組み:栄養開始基準と多職種での目標共有
第49回日本集中治療医学会学術集会、2022/3/19、仙台市

◆宮城 朋果、内藤 みなみ、吉川 桃加、劉 大漫、齋田 友里恵
オープンICUにおけるチェックリストを用いた多職種連携による早期栄養開始の検討
第37回日本臨床栄養代謝学会学術集会、2022/5/31、横浜市

◆宮城朋果、吉田稔、古川潔人、菅原順子、日髙佑紀、三嶋大樹、石田真依子、劉大漫、毛利健
含糖酸化鉄注射液投与によるFGF23関連低リン血症となりFGF23及び尿細管リン再吸収率を用いて評価した一例
第38回日本臨床栄養代謝学会学術集会、2023/5/9、神戸市

◆吉田 稔、角 和恵、内藤 みなみ、田中優子、山口 貴宣、菅原 順子、宮城 朋果、山田大地、毛利健、斎藤 浩輝、佐藤 武揚、吉田 徹
銅±亜鉛欠乏に対する複合微量元素製剤適応外投与の後ろ向き観察研究本邦での銅欠乏治療の現状と問題点
第38回日本臨床栄養代謝学会学術集会、2023/5/9、神戸市

◆宮城 朋果
コメディカルと共有したい最新栄養エビデンス〜栄養ガイドラインから考える〜管理栄養士の立場から
第13回日本離床学会全国研修会・学術大会、2023/6/24、渋谷区

◆大沢 優也、餅 康樹、宮城 朋果
管理栄養士発!栄養と離床のコラボはこう実践する
日本離床学会冬季学術集会、2024/1/7、Web

◆宮城 朋果、吉田 稔、田中 優子、角 和恵、三嶋 大樹、日髙 佑紀、山田 大地、菅原 順子、山口 貴宣、毛利 健
当院微量元素チーム(TEST : Trace Element Evaluation & Education Support & Study Team)の活動
第39回日本臨床栄養代謝学会、2024/2/16、横浜市

◆宮城 朋果、吉田 稔、山本 有人、伊藤 清惠、横溝 真央人、内倉 淑男、安達 晃一、布宮 伸
ICUからPost -ICUにつなげる当院の多職種による栄養療法
第51回集中治療学会学術集会学術集会、2024/3/14、札幌市

◆吉田稔、中村謙介、神田直樹、柏木静、脇本優司、宮城朋果、大邊寛幸、内倉淑男、若竹春明、藤谷茂樹
リアルワールドデータを用いた早期経腸栄養の意義の再考
第51回集中治療学会学術集会学術集会、2024/3/14、札幌市

◆宮城 朋果
当院ICU入室患者におけるGLIM基準を用いた栄養障害の評価研究
第35回日本臨床栄養代謝学会学術集会

◆宮城 朋果
当院ICUにおける栄養療法の質的改善に関する研究
第47回日本集中治療医学会学術集会


論文・執筆


◆宮城 朋果、牧野 淳
栄養療法アップデート 後編 るいそうでの栄養療法 経口・経腸栄養が基本だが,経静脈栄養を考慮する場合もある
Intensivist、11(3)、559-566、2019/7/1

◆宮城 朋果
これからの時代は多職種チーム医療編 91管理栄養士が看護師へ期待すること
今はこうする×わたしはこうしているICUケア、228-230、2021/12/5

◆宮城 朋果
多職種連携 管理栄養士の役割 適切な栄養状態の評価と栄養療法の選択肢を提示する
Intensivist14(4)、759-763、2022/10/1

◆吉田 稔、 角 和恵、宮城 朋果、内藤 みなみ、田中 優子、岡田 晋一郎 、山口 貴宣 、斎藤 浩輝 、毛利 健、吉田 徹
複合微量元素製剤末梢静脈投与が有効であった亜鉛・銅欠乏合併難治性創傷の1例
学会誌JSPEN(WEB)、4(4-5)、183-188 (WEB ONLY) 、2022/11/30

◆宮城 朋果、大島 拓
徹底ガイド 栄養療法-研修医からの質問380-VIII.病態別の栄養療法 48 高度肥満
救急・集中治療、35(3)、985-991、2023/10/31

◆宮城 朋果、大島 拓
徹底ガイド 栄養療法-研修医からの質問380-VIII.病態別の栄養療法 49 低栄養
救急・集中治療、35(3)、992-999、2023/10/31

◆宮城 朋果
[各論1]事例でわかる他職種の思考でとらえる臨床実践 2-6職種別わたしが考える課題解決へのアプローチ 管理栄養士の立場から
多職種の思考でとらえる臨床実践集、107-108、2024/4/15

◆宮城 朋果
[各論2]職種別・わたしが考える他職種連携による医療とは 多職種連携における管理栄養士の役割と大切なこと
多職種の思考でとらえる臨床実践集、294-295、2024/4/15

◆宮城 朋果
特集 急性期のリハビリテーション栄養 内科⑤肥満の集中治療
リハビリテーション栄養、8(1)、52-28、2024/4/25

◆日高 佑紀、吉田 稔、相澤 悠理、梅田 絵美、鳥海 杏華、山田 大地、宮城 朋果、内藤 みなみ、毛利 健
救命救急センターにおけるRefeeding syndromeのリスクに関する疫学調査
学会誌JSPEN(WEB)、4(Supplement 1)、560、2022年

◆角和恵、吉田稔、宮城朋果、田中優子、内藤みなみ、横山愛、中河原怜子、大川智子、高瀬税、毛利健
持ち込み褥瘡患者における血清亜鉛・銅の検討(中間報告と改善点)
学会誌JSPEN(WEB)、4(Supplement 2)、59-60(J-STAGE)、2022年

教育体制

当院では、経験年数を問わずOJT(On-the-Job Training)後は、病棟担当管理栄養士として先輩管理栄養士と同様に業務を行います。また卒後教育として全管理栄養士が前述のNST専門療法士臨床実地修練を修了しています。そして、集中治療部の吉田医師より、学会発表や論文執筆をはじめとしたレクチャーを受け、栄養療法の質の向上に努めています。 Off-JT(Off-the-Job Training)では、各自が興味のある専門分野の学会等に所属し、資格取得や学会発表を行っています。当院では自己啓発援助規程に則り、資格取得に対する援助を受けることができます。