わたしたちが考える救急医療とは、急性症状を呈する救急患者に対して緊急度と重症度に応じて適切な初期治療を行い、全身状態の安定化を図ることです。救急外来(ER)では、救急患者に対して初期診療と初期診断を素早く行い各診療科専門医へ引き継ぎます。ときには専門医と協同で救命治療を実施します。本院の軽症から重症の区別なく救急患者を受け入れる救急外来(ER)は、従来の1次から3次に分けられた救急医療機関ごとの救急体制に依存することなく機能的に運営されています。
本院の救急部門は救急外来(ER)部門と救命救急センターで構成されます。三浦半島地区の救急医療の最後の砦として、平成24年度の救急車搬送は6,896件、約15,000件/年の救急患者を受け入れています。また、本院はドクターカー2台を配備し、市中病院で2台同時運用は県内の唯一です。ドクターカーはmobile ICU/CCUとしての機能を持ち、重症患者を医師の管理のもと安全に搬送できます。1次救急医療機関からの重症患者の転送やNICU管理が必要な新生児のクベース搬送も行います。平成24年度から横須賀市消防局と現場出動協定を結び、地域唯一のドクターカーとしてプレホスピタルの救急活動に積極的に介入して質の向上に役立っています。
救急医は「まず受け入れて診察する姿勢」を身につけるべきと考えます。「救急科後期研修プログラム」には、二つの到達目標を掲げます。第一に救急外来(ER)部門での診療技能およびマネージメント能力を身につけることであり、次に救命救急センター等で入院患者の集中治療管理ができることを目指します。さらには重症救急患者の対応では、救急外来で行う初期対応からICU管理まで継ぎ目のなく診療できる能力、つまり重症治療のマネージメントも救急医の専門能力とも言えます。また、多様な疾患に対応するため外来研修やローテート研修を組み入れて臨床経験を積んでいきます。
救急医は地域の実情に合わせた救急医療を考慮できる柔軟性も必要です。救急医はその自身がおかれた環境で、自分のベストを尽くす能力こそがプロフェショナリズムと思います。どこででも働くことができる救急医を目指します。
本プログラムの到達目標のひとつが日本救急医学会救急科専門医取得です。本院は日本救急医学会専門医研修施設であり、3~4年の研修プログラム(他科、他施設ローテート研修も実施可能)で受験資格を得ることができます。
また、救急科専門医取得を目的としない場合でも、様々な疾患を経験することで幅広い診療能力を身につけたいと思う医師の研修も歓迎します。
また、これまで各専門医として臨床経験を積んだ医師で、救急診療をやってみたい、あるいは救急医へ進路変更したい人も歓迎します。救急診療では、過去の経験や専門技能を生かす場面が必ずあります。異なる専門性を持つ医師がお互い助け合いながら救急患者へ対応することは患者のメリットです。幅広い領域に対応するためには、単独診療よりも救急チームを作って対応することがうまくいきます。
救急総合診療部は横浜市立大学医学部救急医学教室のメンバーとして教育活動にも関わっています。横浜市と三浦半島を一体化した救急医療体制の構築と、研修医や学生の臨床教育に協力しています。高度先進医療の機能をもつ大学病院と地域医療の現場のメリットを生かした教育環境で総合診療能力を育てていきたいと思います。
救急診療では顔面部や口腔内の疾病や外傷への対応もあります。神奈川歯科大学、口腔外科学教室との間で、医科研修として歯科初期臨床研修医を受け入れていて、本院から歯科口腔外科領域の診療技能を学ぶ短期研修で派遣します。
世の中には救急医はまだまだ不足しています。三浦半島でマルチな救急医を目指したいと思う方は、ぜひ見学に来てください。お待ちしています。
職種 | 救急科(救急総合診療部)医師 |
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雇用形態 | 正職員(常勤) |
具体的な仕事内容 | 救急外来業務 他 |
必要資格・経験 | 卒後3年以上 |
給与 | 経験年数による年俸制 |
諸手当 | 夜勤手当、通勤手当、住宅手当、扶養手当、赴任手当(距離による)、代診手当 |
休日・休暇 | シフトによる原則4週8休制 |
勤務時間 | 日勤 8:30~17:00 |
福利厚生 | 健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、医師賠償責任保険 |
応募・選考方法 | 応募書類:履歴書(写真貼付)、医師免許証の写し |
備考 | 採用予定日:応相談 |
連絡先 | 横須賀市立うわまち病院 |